屋上防水の工法と改修方法
出典の確認日:2026年10月17日
屋上防水は、防水層の上を保護コンクリートなどで覆う保護防水と、防水層が表面に出ている露出防水に大きく分かれます。改修には、既存の防水層を撤去してから新しい防水層をつくる方法と、既存の防水層を残して下地を処理したうえで新しい防水層をつくる方法があり、どちらを選ぶかで工程と費用が変わります。まず現在の屋上がどちらの仕様かを確認し、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼することをおすすめします。
屋上防水は保護防水と露出防水に分かれます
| 区分 | 表面の状態 | 長期修繕計画作成ガイドラインに示された補修・修繕の内容の例 |
|---|---|---|
| 保護防水 | 防水層の上を保護コンクリートなどで覆っています | 伸縮目地の打替え、保護コンクリート部分補修 |
| 露出防水 | 防水層が表面に出ており、保護塗装(トップコート)で仕上げています | 下地処理、保護塗装(トップコート塗り) |
露出防水の屋上は、ベランダと同じように、表面のトップコートを塗り替えて防水層を保護します。塗り替えの時期の目安はトップコート塗り替えの時期と費用で解説しています。ウレタン防水・シート防水・FRP防水などの工法ごとの違いは防水工事の種類と工法比較をご覧ください。
改修では、既存の防水層を撤去するかどうかを確認します
国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」では、防水改修の工法ごとに工程を定めています。既存の保護層や防水層を撤去してから防水層を新設する工法と、既存の防水層を撤去せずに既存下地を処理して防水層を新設する工法があります。
| 方法 | 主な工程 | 見積もりの際に確認する点 |
|---|---|---|
| 既存の防水層を撤去する | 既存の保護層・防水層の撤去、既存下地の処理、防水層の新設 | 撤去費と廃材の処分費が見積もりに含まれているか |
| 既存の防水層を撤去しない | 既存下地の処理、防水層の新設 | 既存の防水層と新しい防水材の相性、既存の防水層の浮きや水分の含みの状態 |
同仕様書では、既存の防水層などを撤去した結果、下地の状況によって設計図書に定めた施工方法が適さない場合は協議することとしています。戸建て住宅の工事でも、撤去後に下地の状態が判明して工事内容が変わることがあるため、追加工事になる場合の条件を契約前にご確認ください。
修繕周期の例は、補修・修繕が12〜15年、撤去・新設が24〜30年です
国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)では、分譲マンションの屋上防水について、保護防水・露出防水とも、補修・修繕の周期の例を12〜15年、撤去・新設の周期の例を24〜30年としています。
| 区分 | 工事区分 | 修繕周期の例 | 工事内容の例 |
|---|---|---|---|
| 屋上防水(保護) | 補修・修繕 | 12〜15年 | 伸縮目地の打替え、保護コンクリート部分補修 |
| 屋上防水(保護) | 撤去・新設 | 24〜30年 | 下地処理、ウレタン塗膜防水通気緩衝工法 |
| 屋上防水(露出) | 補修・修繕 | 12〜15年 | 下地処理、保護塗装(トップコート塗り) |
| 屋上防水(露出) | 撤去・新設 | 24〜30年 | 下地処理、改質アスファルト防水(撤去・新規防水) |
この周期はマンションの長期修繕計画を作成するための例であり、同ガイドラインも、時期(周期)は「おおよその目安であり、立地条件等により異なることがある」としています。実際の改修時期は、点検で確認した劣化の状態をもとに判断してください。
屋上では排水口・立ち上がり・端部を重点的に点検します
- 排水口(ドレン)に落ち葉や土がたまっていないか
- 雨の後に、水たまりが長く残る場所がないか
- 立ち上がり(壁際)や端部の防水層に、浮き・剥がれ・ひび割れがないか
- 露出防水の場合、表面の保護塗装が色あせたり剥がれたりしていないか
- 保護防水の場合、伸縮目地のシーリングが劣化していないか、保護コンクリートにひび割れがないか
- パラペット(屋上の外周の立ち上がり壁)の天端や笠木に、隙間や浮きがないか
屋上には転落の危険があります。手すりのない屋上や、はしごで上がる屋上の点検は無理に行わず、業者に依頼してください。水たまりの原因と対処はベランダに水たまりができる原因と解決法でも解説しています。
雨や低温の日は施工を行いません
公共建築改修工事標準仕様書では、降雨や降雪が予想される場合、下地の乾燥が不十分な場合、気温が著しく低下した場合、強風や高湿の場合など、防水に悪影響を及ぼすおそれがある場合は施工を行わないとしています。また、降雨等のおそれがある日は既存の防水層の撤去等の作業を行わないこと、一日の作業の終了後は原則として漏水のないようシート等で養生を行うことを定めています。
戸建て住宅の工事でも天候によって工程が延びることがあるため、工期と、天候による延期の扱いを契約前に確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q保護防水か露出防水かは、どうすれば分かりますか?
屋上の表面がコンクリートで覆われ、一定の間隔で目地が入っている場合は保護防水、表面が塗装やシートで仕上げられている場合は露出防水である可能性があります。新築時の図面や仕様書が残っていれば、防水の仕様が記載されている場合があります。判断がつかない場合は、点検の際に業者にご確認ください。
Q既存の防水層を撤去しない改修のほうが費用を抑えられますか?
撤去と処分の工程がない分、工程は少なくなります。ただし、既存の防水層に浮きや水分の含みがある場合は撤去が必要になることがあるため、費用だけで工法を選ぶことはおすすめしません。現地調査で既存の防水層の状態を確認してもらい、その工法を選んだ理由を見積もりの際に説明してもらってください。
Q屋上とベランダの防水工事は同じ業者に頼めますか?
当サイトの業者ランキングでは、ベランダと屋上の防水工事に対応する業者を掲載しています。屋上は面積が広く、足場の要否や資材の搬入方法が工事費に影響するため、見積もりの際に搬入経路と足場の要否をご確認ください。
出典
以下の資料は、2026年10月17日に公式サイトで内容を確認しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、ご利用前に各公式サイトで最新の情報をご確認ください。