マンションのベランダ防水は誰が負担するか
出典の確認日:2026年10月17日
国土交通省のマンション標準管理規約では、バルコニーは共用部分であり、各住戸の区分所有者が専用使用権を持つ部分とされています。防水の改修などの計画修繕は管理組合がその責任と負担で行い、清掃など通常の使用に伴う保存行為は専用使用権を持つ区分所有者が行う、という分担が示されています。実際の分担は各マンションの管理規約で決まるため、工事を検討する前に管理規約を確認し、管理組合(管理会社)にご相談ください。
標準管理規約では、バルコニーは専用使用権のある共用部分です
令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)の別表第2は、共用部分の範囲に「バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」」を含めています。第14条は、区分所有者が、バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(バルコニー等)について専用使用権を有することを定めています。専有部分を借りている方も、区分所有者が専用使用権を持つバルコニー等を使用できます。
計画修繕は管理組合が行い、通常の使用に伴う保存行為は区分所有者が行います
同規約第21条は、敷地及び共用部分等の管理は管理組合がその責任と負担で行うこと、ただしバルコニー等の保存行為のうち通常の使用に伴うものは、専用使用権を有する者がその責任と負担で行うことを定めています。同条のコメントでは、分担の考え方を次のように示しています。
| 内容 | 行う者(標準管理規約の場合) | 根拠 |
|---|---|---|
| 計画修繕(バルコニー等の経年劣化への対応) | 管理組合 | 第21条関係コメント③・⑤ |
| 通常の使用に伴う保存行為(バルコニーの清掃、窓ガラスが割れた時の入替え等) | 専用使用権を有する区分所有者 | 第21条第1項ただし書、コメント④ |
| 第三者による犯罪行為等による破損の保存行為 | 管理組合 | コメント⑥ |
| 同居人や賃借人等による破損の保存行為 | 専用使用権を有する区分所有者 | コメント⑥ |
コメント⑤では、経年劣化への対応は管理組合が計画修繕として行うとしたうえで、長期修繕計画作成ガイドラインで管理組合が行うとされている修繕等の周期と比べて短い期間で発生し、かつ他のバルコニー等と比較して劣化の程度が顕著である場合には、特段の事情がない限り、専用使用権を有する者がその責任と負担で保存行為を行うものとしています。この場合でも、結果として管理組合による計画修繕のなかで劣化が解消されるのであれば、管理組合の負担で行われることになるとしています。
バルコニー床防水の修繕周期の例は12〜15年です
長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定)では、バルコニーの床(側溝、幅木を含む)の防水について、修繕周期の例を12〜15年、工事内容の例を「高圧水洗の上、下地調整、ウレタン塗膜防水」としています。また、ルーフバルコニーは屋上防水(保護)の対象部位の例に含まれています。
同ガイドラインでは、建物の全体または複数の部位について行う大規模な計画修繕工事の例として、外部足場が必要な外壁塗装と屋上防水等を同時に行う場合などを挙げています。お住まいのマンションのバルコニーの防水工事の予定は、管理組合の長期修繕計画で確認できます。屋上の防水については屋上防水の工法と改修方法で解説しています。
ご自身で防水工事を依頼する前に、管理組合に相談します
バルコニーは共用部分であるため、区分所有者が個人で防水工事を発注すると、管理規約に反するおそれがあります。標準管理規約の別添2「区分所有者が行う工事に対する制限の考え方」でも、バルコニーについて、制限すべき負の影響として防水機能の破壊(他住戸に影響)を挙げています。
- 管理規約で、バルコニーの防水工事と費用負担の扱いを確認する
- 雨漏りや防水層の剥がれに気づいたら、管理組合(管理会社)に連絡する
- 階下の住戸への漏水が疑われる場合は、すぐに管理会社に連絡する
- バルコニーに物を固定したり床材を敷いたりする場合は、事前に管理組合に確認する
清掃と排水口の管理は区分所有者が行います
標準管理規約のコメントでは、通常の使用に伴う保存行為の例としてバルコニーの清掃を挙げています。排水口(ドレン)に落ち葉やごみがたまると水があふれ、室内や階下の住戸への漏水につながるおそれがあります。日常の点検の方法は家の防水メンテナンスの時期と点検箇所で、水たまりの原因はベランダに水たまりができる原因と解決法で解説しています。
よくある質問
Qマンションのベランダの防水工事費用は個人で負担しますか?
標準管理規約では、計画修繕として行うバルコニーの防水工事は管理組合が負担します。ただし、長期修繕計画作成ガイドラインの周期より短い期間で劣化し、他のバルコニーと比べて劣化の程度が顕著な場合などは、区分所有者の負担とされる場合があります。実際の分担は各マンションの管理規約によるため、管理組合にご確認ください。
Q賃貸マンションの場合はどうなりますか?
賃貸住宅の場合は、賃貸借契約の内容によります。ベランダの防水層の劣化や雨漏りに気づいたら、ご自身で業者に依頼せず、貸主または管理会社に連絡してください。
Q雨漏りで階下の住戸に被害が出た場合はどうすればよいですか?
まず管理会社に連絡し、原因の調査を依頼してください。原因がバルコニーの共用部分にあるか、専有部分にあるかによって対応が異なります。判断に迷う場合は、住まいるダイヤル(03-3556-5147)でも住まいに関する相談を受け付けています。
出典
以下の資料は、2026年10月17日に公式サイトで内容を確認しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、ご利用前に各公式サイトで最新の情報をご確認ください。