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ベランダ防水ナビ
工法ガイド

防水工事に向く時期と天候(気温・湿度・雨・乾燥時間)

出典の確認日:2026年10月21日

防水工事を施工できるかどうかは、季節そのものよりも、施工する日の気温・湿度・降雨によって決まります。国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書では、降雨や降雪が予想される場合、下地の乾燥が不十分な場合、気温が著しく低下した場合、強風や高湿の場合は施工を行わないとしています。防水材メーカーも製品ごとに施工を避ける気温と湿度を示しており、気温が低いほど次の工程に進むまでの時間が長くなります。工事の時期を検討する際は、使用する防水材の施工条件と、天候によって延期になった場合の扱いを業者にご確認ください。

公共建築改修工事標準仕様書では、雨・低温・強風・高湿の日は施工を行わないとしています

国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」は、防水改修工事の施工一般(3章1節)で、次の場合は施工を行わないと定めています。

  • 降雨または降雪が予想される場合
  • 下地の乾燥が不十分な場合
  • 気温が著しく低下した場合
  • 強風または高湿の場合
  • その他、防水に悪影響を及ぼすおそれがある場合

同仕様書は、降雨等のおそれがある日は既存の防水層と外部に面するシーリング材の撤去等の作業を行わないこと、一日の作業の終了後は原則として降雨等に対して漏水のないようシート等で養生を行うことも定めています。

シーリング工事については、降雨や多湿などにより結露のおそれがある場合と、プライマーの塗布および充填の際に被着体(シーリング材を接着させる面)が5℃以下または50℃以上になるおそれがある場合は作業を中止するとしています。ただし、仮囲いやシート覆いなどで保温または遮熱を行う場合はこの限りではないとされています。ベランダまわりのシーリングについてはシーリングのひび割れの対応方法で解説しています。

同仕様書は国の官庁施設の営繕に用いる基準ですが、施工を避ける条件の考え方は、住宅の防水工事の工程を確認する際にも参考になります。

防水材メーカーは、製品ごとに施工を避ける気温と湿度を示しています

防水材メーカーの日本特殊塗料は、製品カタログの注意事項で、施工を避ける気象条件を次のように示しています。

製品防水材の種類施工を避ける条件施工中・施工後の注意
プルーフロンC-200エコ1液タイプのウレタン塗膜防水材推奨施工温度は10〜30℃。気温5℃以下、湿度80%以上での施工は避ける。降雨や降雪が予想される場合は施工を行わない冬季は硬化速度が遅くなるため、施工間隔に十分注意する
プルーフロンアクアポリマーセメント系塗膜防水材気温5℃以下・35℃以上、湿度85%以上の場合、降雨・降雪・降霜・結露が予測されるときは施工を避ける施工後24時間程度(23℃)は降雨や降霜に当たらないよう注意する

このように、施工を避ける気温と湿度は防水材の種類と製品によって異なります。見積もりの際は、使用する防水材の製品名と、そのメーカーが示している施工条件を業者にご確認ください。ウレタン防水・FRP防水・シート防水の違いは防水工事の種類と工法比較で解説しています。

気温が低いほど、次の工程に進むまでの時間が長くなります

ウレタン塗膜防水は、液状の防水材を塗り重ねて防水層をつくる工法です。公共建築改修工事標準仕様書では、ウレタンゴム系防水材塗りは2回以上に分割して塗り付けることとしています。前の層が硬化してから次の層を塗るため、気温によって工程の間隔が変わります。

日本特殊塗料は、1液タイプのウレタン塗膜防水材「プルーフロンエコONEⅡ」のカタログで、硬化促進剤を添加しない場合の次工程までの時間を次のように示しています。

気温次工程までの時間(硬化促進剤を添加しない場合)
20℃未満硬化促進剤を添加する
20℃24〜72時間
25℃18〜72時間

同カタログでは、一度に厚く塗ることや同じ日に2回施工することは、表面だけが乾燥してふくれなどの不具合が生じるため行わないよう注意しています。また、仕上げのトップコートを塗った後は、歩行できるまで24時間以上、養生期間は48時間以上(いずれも23℃の場合)としています。

AGCポリマー建材は、低温でも硬化する高速硬化型のウレタン防水材について、1日に2工程を施工できる特長を示す一方で、気象条件、日射しや風通し、夜間の冷え込み、施工現場の状況によっては1日2工程ができない場合もあるとしています。気温の低い時期は、乾燥・硬化の待ち時間を含めて工期を確認することをおすすめします。ウレタン防水の工程はウレタン防水の特徴と費用で解説しています。

施工後は、硬化・乾燥するまで水をかけず、物を置かないようにします

AGCポリマー建材は、ウレタン塗膜防水の施工を依頼した方に向けて、施工終了後も数日間の養生が必要であり、養生期間中は水をこぼしたり、歩いたり、重いものを置いたりしないよう案内しています。日本特殊塗料も、硬化・乾燥前の防水層に水をこぼしたり物を置いたりしないよう注意しています。

ベランダの工事では、次の点を施工前に業者にご確認ください。

  • ベランダに置いている物を移動する範囲と、元に戻せる時期
  • 洗濯物を干せるようになる時期
  • エアコンの室外機などを移動する必要があるか
  • 施工中・養生中にベランダへ出入りできない期間

季節だけで判断せず、工期と天候による延期の扱いを契約前に確認します

公共建築改修工事標準仕様書と防水材メーカーの施工条件は、季節ではなく、施工する日の気温・湿度・降雨・下地の乾燥状態で示されています。雨の多い時期や気温の低い時期でも条件を満たす日には施工できますが、条件を満たさない日が続くと作業を行えず、工期が延びることがあります。

工事の時期を決める前に、次の項目を見積書・契約書でご確認ください。

  • 使用する防水材の製品名と、メーカーが示している施工条件
  • 予定している工期と、工程ごとの乾燥・硬化の待ち時間
  • 雨天や低温で延期になった場合の連絡方法と、費用の扱い
  • 既存の防水層を撤去する場合、作業中の降雨に備えた養生の方法
  • 施工後に歩行や物の設置ができるようになる時期
  • 保証の開始日と保証書の発行時期

見積書で確認するその他の項目は見積もりで確認する項目で、トップコートの塗り替えの時期はトップコート塗り替えの時期と費用で解説しています。

よくある質問

Q冬に防水工事はできますか?
A

気温が施工条件を満たす日であれば施工できます。ただし、公共建築改修工事標準仕様書は気温が著しく低下した場合は施工を行わないとしており、防水材メーカーも気温5℃以下での施工を避けるよう示している製品があります。冬季は硬化速度が遅くなり、工期が延びることがあるため、使用する防水材の施工条件と工期を業者にご確認ください。

Q雨が降った翌日でも施工できますか?
A

公共建築改修工事標準仕様書は、下地の乾燥が不十分な場合は施工を行わないとしています。雨が上がっていても下地が乾いていなければ施工できないため、下地の乾燥状態を業者に確認してもらってください。

Q梅雨の時期の工事は避けたほうがよいですか?
A

施工条件は季節ではなく、施工する日の天候で判断されます。梅雨の時期でも条件を満たす日には施工できますが、雨の日が続くと作業を行えず、工期が延びることがあります。この時期に依頼する場合は、天候で延期になった場合の連絡方法と費用の扱いを契約前にご確認ください。

Q夏の暑い時期の施工に問題はありませんか?
A

高温を避ける条件を示している製品もあります。日本特殊塗料は、ポリマーセメント系塗膜防水材のプルーフロンアクアについて気温35℃以上での施工を避けるよう示しており、公共建築改修工事標準仕様書もシーリング工事で被着体が50℃以上になるおそれがある場合は作業を中止するとしています。使用する防水材の条件を業者にご確認ください。

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