通気緩衝工法(絶縁工法)とは|密着工法との違いと向いている下地
通気緩衝工法は、通気緩衝シートの上にウレタン塗膜防水を重ねる工法です。AGCポリマー建材は、自社の通気緩衝AV工法を「準密着・絶縁式の複合塗膜防水工法」と説明しています。このページでは、AGCポリマー建材「サラセーヌ」と田島ルーフィング「パティオール」の公式ページに書かれている内容をもとに、密着工法との違いと、公式に書かれた適用部位・下地条件をまとめます。
出典の確認日:2026年11月1日
通気緩衝AV工法と密着SD工法の違い(AGCポリマー建材の公式ページの記載)
| 項目 | 通気緩衝AV工法 | 密着SD工法 |
|---|---|---|
| 公式の説明 | AVシートの上にウレタン塗膜防水を塗り重ねた、準密着・絶縁式の複合塗膜防水工法 | サラセーヌ上市以来、30年以上の実績を誇るスタンダードな密着工法 |
| 下地との関係 | 防水層が下地と部分密着 | 公式ページに記載なし(工法名は「密着」) |
| 下地の水分・ふくれ | 通気緩衝層が下地の水分を逃がし、ふくれを防止 | 公式ページに記載なし |
| 下地の動き | 下地の挙動を緩衝し、下地クラックのゼロスパンテンションによる防水層の破断を防ぐ | 公式ページに記載なし |
| 防水層の構成 | AVシートの上にウレタン塗膜防水 | ウレタン塗膜防水に補強用クロスを併用 |
| 改修 | 残留水分の多い改修防水にも適する。既存の押え層を撤去せずに施工できる | 公式ページに記載なし |
| 適用部位(公式表示) | 屋上、ルーフバルコニー | 屋上、ルーフバルコニー、ベランダなど(階下に居室のない部位) |
| 図に示された仕様例 | サラセーヌAV-EZ50TJ | サラセーヌSD-EZ30TJ |
どちらの公式ページにも、下地や条件、要件によりプライマーや仕上げ材など製品の組み合わせが変わること、工法の詳細や施工上の注意は総合カタログを参照することが記載されています。価格と耐用年数は、どちらの公式ページにも記載がありません。
ウレタン防水全体の費用相場と耐用年数はウレタン防水のページ、シート防水やFRP防水との比較は工法比較のページで扱っています。
この工法の基本情報
メリット
- 通気緩衝層が下地の水分を逃がし、ふくれを防止する(AGCポリマー建材)
- 下地の挙動を緩衝し、下地クラックによる防水層の破断を防ぐ(AGCポリマー建材)
- 残留水分の多い改修防水にも適し、既存の押え層を撤去せずに施工できる(AGCポリマー建材)
デメリット
- AGCポリマー建材の通気緩衝AV工法・QV工法の公式ページでは、適用部位の表示は屋上とルーフバルコニーで、ベランダの表示はない
- 国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書では、立上り部はすべて密着工法(種別X-2)とする
1通気緩衝工法の仕組み
2公式に書かれている適用部位と下地条件
3住宅ベランダ向けの製品:田島ルーフィング「パティオール」
| 工程 | 平面部 | 立上り部 |
|---|---|---|
| 6 | パティオコート 0.2kg/m² | パティオコート 0.2kg/m² |
| 5 | パティオポリマー 2.5kg/m² | 立上り用パティオポリマー ※ |
| 4 | パティオシートNS(目地部パティオテープW) | パティオメッシュ |
| 3 | パティオプライマー 0.2kg/m² | 立上り用パティオポリマー2.5kg/m² ※ |
| 2 | 各種面材 | パティオシートM(目地部パティオテープW) |
| 1 | 勾配用スタイロ | パティオプライマー 0.2kg/m² |
※立上り用パティオポリマーは工程3と5を合わせて2.5kg/m²使用すると記載されています。詳細は「パティオール」カタログを参照するよう案内されています。
よくある質問
Q通気緩衝工法と絶縁工法は同じものですか?
AGCポリマー建材は、通気緩衝AV工法を「準密着・絶縁式の複合塗膜防水工法」と説明しており、防水層は下地と部分密着しているとしています。国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書(令和7年版)では、通気緩衝シートを張ってからウレタンゴム系防水材を塗り重ねる工法を種別X-1(絶縁工法)としています。
Qベランダに通気緩衝工法は使えますか?
AGCポリマー建材の通気緩衝AV工法・QV工法の公式ページでは、適用部位として屋上とルーフバルコニーが表示されており、ベランダの表示はありません。田島ルーフィングは、ウレタンと通気緩衝シートによる複合防水のパティオールを、住宅建材の「ベランダ防水材」のページに掲載しています。
Q下地に水分が残っている改修でも施工できますか?
AGCポリマー建材は、通気緩衝AV工法について「残留水分の多い改修防水にも適しています」と記載しています。通気緩衝層が下地の水分を逃がすことでふくれを防止するとしています。
Q密着工法とどちらを選べばよいですか?
公式ページの記載だけでは、個々の建物でどちらが合うかは判断できません。AGCポリマー建材は、下地や条件、要件により製品の組み合わせが変わるとし、詳細は総合カタログを参照するよう案内しています。下地の状態は業者の現地調査で確認してください。
Q通気緩衝工法の費用や耐用年数はわかりますか?
AGCポリマー建材と田島ルーフィングの公式ページには、価格と耐用年数の記載がありません。当サイトのウレタン防水のページでは、くらしのマーケットの10平米あたりの費用相場(ウレタン防水45,000〜88,000円程度、密着工法・絶縁工法の別なし)と、防水工事見積もり.comの工法表による耐用年数(通気緩衝工法は15年ほど)を掲載しています(いずれも2026年11月1日確認)。